シンガー・ソングライター大島花子さん「亡き父 坂本九の最後の曲『心の瞳』を広めたい」
韓国で日本の名曲を紹介するライブができたら
今は社会福祉などのさまざまな講演をやらせてもらい、私が子ども時代に突然父を失う経験をして命の大事さを知ったこと、父との思い出や父のやってきたことをお話しさせていただいています。
講演では「心の瞳」も歌うので、若い人から「心の瞳を通じて家族や愛について学びました」という声もよくいただきます。若い方にもグッとくるところがあるようです。「泣ける歌」みたいで(笑)。今後はコンサート込みの講演を学校でもたくさんやりたい。
ギターの方と2人で、もしくはカラオケでいろんなところを歌って回る活動もしていて、この取材の前日は高齢者施設で歌いました。保育園で歌うこともあります。
聴いていただく年代の幅が広いですが、歌を聴くと表情が変わるのは同じなんです。90代の方も小さい子でも、音が鳴った瞬間に表情がパッと明るくなる。その瞬間を見られるのが私はすごく楽しい。
父の「上を向いて歩こう」は高齢な方はみなさん歌ってくれますし、子どもも意外と知っていて歌ってくれますよ。私としてはいろんな年齢層の方たちのところへ歌いに行きたい。
ほかにやりたいことは、韓国語をマスターしたくて、今、勉強中です。韓国の歌やドラマが好きなことがきっかけですが、ゆくゆくは韓国でライブができたらという夢を持っています。日本の名曲を紹介したいですね。
かつて「上を向いて歩こう」が日本語のまま全米チャート1位になりましたが、歌詞はわからなくても、いいなあと感じてくださるんですよね。だから海外で歌ってみたいです。加えてその国の言葉でも歌えたら最高ですよね。韓国語を勉強中なので、韓国ではMCも頑張りたいです。海外で「上を向いて歩こう」や「心の瞳」を歌い、父の歌を海の向こうにも広めていきたいですね。
(聞き手=松野大介)
▽大島花子(おおしま・はなこ) 1973年10月、東京都出身。92年にミュージカルでデビュー。2000年代からアーティストとして活動。14年にアルバム「柿の木坂」リリース。11月21日、南青山BAROOMでコンサートを開催。