最新回の朝ドラ「あんぱん」ウラの見所~アンパンマンマーチの歌詞に込めた思い。千尋(中沢元紀)や寛先生(竹野内豊)の写真にホロリ…
第26週「愛と勇気だけが友達さ」#128
【朝ドラのツボ!】
ある日、アンパンマンをテレビアニメ化したいとテレビプロデューサーの武山(前原滉)が訪ねてくる。だが嵩(北村匠海)は、アンパンマンを傷つけられたくないと言って断ってしまう。諦めきれない武山は数日後にまたやってくる。
不在だった嵩にのぶ(今田美桜)が彼の熱意を伝えると、嵩はようやく引き受けることに。嵩は主題歌の歌詞も担当し、書き上げた歌詞をのぶに見せると、のぶの目に涙が。歌詞に込められた想いとは――。
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【本日のツボ】
のぶの一声でアニメ化決定!
※※以下、ネタバレあります※※
突然、訪れたテレビプロデューサーの武山。「アンパンマン」のテレビアニメ化をしたいと申し出ます。のぶに「武山さんはどのキャラクターがお好きなんですか?」と訊かれ、「日によって変わるんですが、今日は“かびるんるん”が好きです」と即答する武山。
「“かびるんるん”! 大勢でワーッと現れて、可愛いですよね」とのぶ。「あの絵本は…」と言うノブの言葉に食い気味に「1983年4月ですね」と武山。
「発売された絵本は全部擦り切れるほど読んでいますから」とのこと。「『アンパンマン』の生き字引みたいな方ですね」とのぶに言われ、あふれんばかりの「アンパンマン」愛を語り出します。
ところが、嵩は、「前にも一度アニメ化の話があってね。設定を変えてくれって言われたんだ。あんぱんの顔をしたヒーローが、悪者をこてんぱんにやっつける話にされそうになって…僕はアンパンマンを傷つけられたくないんですよ」と、武山の申し出を断りました。
数日後、諦めきれず、やってきた武山。嵩の不在を伝えると、のぶに「奥さま、お願いします。子どもたちのために、アンパンマンを飛ばせてください!」と頭を下げます。
のぶに頭を下げたところで…と思いましたが、すべての采配のぶに下げても仕方がないんじゃ…と思いましたが、結果的にはそれが正解だったようです。
千尋らの写真を見るシーンにはホロリ
「武山さん、今まで企画を持ってきたプロデューサーさんとは違うと思う…」と、のぶから武山の「アンパンマン」への熱い思いを聞き、嵩は武山に電話をかけます。
「ぼくはね、あなたのこともテレビ局のこともまだ信用してません。でも、カミさんのことは信用してるんです。だからやりましょう」。
いよいよ、アニメ「アンパンマン」が動き出しました。のぶの一声が、国民的アニメ「アンパンマン」を誕生させたのでした。
主題歌「アンパンマンのマーチ」の歌詞を書く中で、アンパンマンのモデルとなった千尋(中沢元紀)や、おじさん(竹野内豊)らの写真を見ながら、述懐するシーンにはホロッとしました。
気になるのは、羽多子(江口のりこ)、登美子(松嶋菜々子)、千代子(戸田菜穂)、3人が並ぶ遺影です。3人一緒とは、なにかのはやり病で同時に亡くなったのでしょうか。
制作過程で妥協しない嵩、完成までになんと2年の月日を要したそうです。その2年にどんなやりとりがあったのか、ものづくりの現場、アニメ「アンパンマン」の誕生する過程こそをじっくり見たかったです。
(桧山珠美/TVコラムニスト)