無口な秋山幸二さんの「ああ」は否定、OKなら「わかった」…知らなきゃ分かりません
元ソフトバンク広報・田尻一郎氏による「鷹の真実」(第33回=2024年)を再公開
日刊ゲンダイではこれまで、多くの球界OB、関係者による回顧録や交遊録を連載してきた。
当事者として直接接してきたからこそ語れる、あの大物選手、有名選手の知られざる素顔や人となり。当時の空気感や人間関係が、ありありと浮かび上がる。
今回はあの秋山幸二氏について綴られた元ソフトバンク広報・田尻一郎氏による「鷹の真実」(第33回=2024年)を再公開。年齢、肩書などは当時のまま。
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秋山幸二さん(62)はホークスを2度、強くしたと言っても過言ではありません。
1度目は選手として。西武からトレードでダイエーに移籍してきた1994年以降です。この連載でも書きましたが、常勝軍団で競争意識が強い西武で揉まれてきた選手。体のどこかが痛いから休むということはしません。94年は腰痛で満足に走ることすらできなかった時期がありましたが、根本陸夫監督はスタメンで起用し続けました。フルスイングもできず、それでも右打ち中心の打撃で、打率.254、24本塁打、73打点の成績。そんな姿に小久保裕紀を筆頭としたさまざまな選手が感化されたのです。