「粒と棘」新野剛志著

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「粒と棘」新野剛志著

 闇物資の担ぎ屋をしている尾高慎二は、頼みたい仕事があると、新宿で男に声をかけられた。車に乗せられそうになり、すんでのところで逃げ切る。

 3週間後、尾高の実家を宙馬と富樫という男が訪れた。飛行士だった尾高はかつて海軍の特務機関員を乗せて上海に行き、中身の分からぬ大量の物資を日本に運んだことがあった。そのとき、陣頭指揮をとっていた坂泉が、荷物の一部を持って姿を消したという。短刀で襲いかかる宙馬と格闘になり、尾高は宙馬を刺し殺してしまった。(「幽霊とダイヤモンド」)

 ほかに、人手不足の農村に上野の浮浪児を送り込む少年など、戦後の混乱期を生き抜いた人びとを描く6編の小説。 (東京創元社 2310円)


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