「戦後史の証言者ゴジラ」本庄豊著
「戦後史の証言者ゴジラ」本庄豊著
1954年に封切られた映画「ゴジラ」。初代ゴジラは、その年3月、アメリカがマーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験により巨大化した恐竜である。小説「ゴジラ」の原作者・香山滋は、核兵器廃絶運動のひとつとしてこの小説を書いた。映画監督の本多猪四郎らは、戦時中に戦争協力映画の製作に関わった反省を戦後の出発点とした。
だが最新作「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」を見た著者は違和感を覚えた。これは2016年の「シン・ゴジラ」とともに、従来のゴジラ映画とは別の系譜の作品ではないか。
ウクライナなどで戦火が絶えない現在、ゴジラ映画を通して反核を考える一冊。 (旬報社 1870円)