疲れ、不眠、頻尿…「未病」にあたる不調を漢方薬で打ち消す
なんとなく体の不調を感じるが、病気ともいえない状態を、東洋医学では「未病」として捉えている。この場合、早めに手を打ち病気へ発展させない“治未病”が大切だ。「疲れが取れない」「ぐっすり眠れない」「頻尿や尿漏れがよくある」はまさに「未病」にあたる。医学博士で鍼灸師の王瑞霞氏(日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員)に、どんな漢方薬を選べばいいのかを聞いた。
【疲れが取れない】
「漢方医学では人間の体は『気』『血』『水』の3つで構成されると考えます。気は、生命活動を営むエネルギー、血は、全身を巡って臓器や組織に栄養を与える物質、そして水は、血液以外の体液全般を指します。疲れが取れない場合は、『気』または『血』が不足していることが原因の一つと考え、これらを補う漢方薬を使います」
“疲労困憊”という言葉がピッタリくるほど疲労の度合いが大きい場合は「気」と「血」の両方が不足している。手術後や産後の衰弱しきっている時にも使う「十全大補湯」がお勧めだ。
そこまでの疲労ではないが、やせ形・普段から顔色があまり良くない・胃腸が弱く、慢性胃炎や胃もたれをよく起こすという人は、「四君子湯」や「六君子湯」を。