「源家物語」真保裕一著
「源家物語」真保裕一著
源頼義は朝廷の命により国司に反抗していた陸奥の安倍の討伐を果たしたが、そのまま陸奥に残り追討を続けるよう命じられる。その後、陸奥守として文官の高階経重が赴任したことで、頼義は、朝廷が安倍の追討を諦めたと考えた。
そこで、京の公卿を動かすため、国府の官人に命じて経重を辱め、陸奥守を辞させようとする。
頼義の計略は当たった。京から早馬が来て、安倍討伐の下知がすべての東国に下ったのだ。
奥州での戦いを終えた頼義は伊予守に任じられ、嫡男の義家は出羽守となる。
公家の支配下で武者の時代を切り開いた源氏の棟梁を描く時代小説。 (徳間書店 2310円)