著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966-2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

新しい音楽を漂わせた才能が虎視眈々と桂三枝の座を狙っていた

公開日: 更新日:

1975年のテレビ界②

 今回も特別編「1975年のテレビ界」。前回は、この年のテレビ業界を代表する「MVP」は萩本欽一だったという話を書いた。

 では東京発テレビのMVPを欽ちゃんだとすると、関西のMVPは誰か。東大阪出身の私の記憶の中で、この年、燦然と輝いているのは桂三枝(現・文枝)だ。

 吉本興業のサイト内にある経歴には、74年の欄に「『オヨヨ! グー!』大流行」、75年には「第4回上方お笑い大賞金賞」と書かれている。「オヨヨ」「グー」はとてもリアルに覚えている。また上方お笑い大賞の金賞に輝いたのも、当時の彼の勢いを象徴している。ちなみに大賞は海原お浜・小浜だった(なお小浜は海原やすよ・ともこの祖母)。

 さて、この年の三枝は、とにかくよくテレビに出ていた。ただ、彼自身のネタで大笑いした経験はあまりなく、むしろ若手の落語家や芸人を取り回して、笑いを引き出す立場にいた。

 その意味では「東のMVP」萩本欽一にも通じるものがある。

 日曜の夕方に放送されるMBS「ヤングおー!おー!」で、若手落語家ユニット「ザ・パンダ」の月亭八方、桂文珍、桂きん枝(現・小文枝)、林家小染らをイジりまくって笑いを取っている姿が懐かしい。

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