「空気清浄機」が血圧を下げる? 米国心臓病学会誌に掲載
大気中に浮遊している小さな粒子のうち、大きさが2.5マイクロメートル以下の小さな粒子を「PM2.5」(微小粒子状物質)と呼びます。1日の交通量が多い幹線道路の近隣は、自動車の排ガスやタイヤの摩耗などの影響で小さな粒子が発生しやすく、PM2.5は室内に侵入することも知られています。
PM2.5はまた、高血圧や心臓病のリスクを高めることが報告されていました。そのような中、血圧に対する空気清浄機の有効性を検証した研究論文が、米国心臓病学会誌に2025年8月26日付で掲載されました。
米国で行われたこの研究では、高速道路から200メートル以内に居住している154人(平均41.1歳)が対象となりました。被験者は、粒子除去フィルターを搭載した空気清浄機を設置する群(空気清浄機群)と、フィルターが搭載されていない偽の空気清浄機を設置する群(偽空気清浄機群)にランダムに割り付けられ、血圧(単位は㎜Hg)の値が比較されました。なお、血圧の値は心臓が収縮したときの収縮期血圧(上の血圧)で115前後、心臓が拡張したときの拡張期血圧(下の血圧)で75前後が正常です。