400m中島佑気ジョセフ「ロス五輪メダル取り」の条件…世界陸上は日本人史上最高位をマーク
「やっぱりメダル取りたかったですね」
世界陸上は18日、国立競技場で男子400メートル決勝が行われ、中島佑気ジョセフ(23=富士通)が、1991年東京大会で7位に入賞した高野進以来、34年ぶりの決勝で44秒62をマーク。日本人過去最高の6位でゴールを駆け抜けると、喜びに浸るどころか、メダルに届かなかった悔しさをにじませた。
予選でマークした44秒44の日本記録は決勝メンバーの中で一番遅いタイム。5人が43秒台という決勝はスタートから高速レースになった。
陸上に詳しいスポーツライターの高野祐太氏がこう言う。
「前半は抑え気味に入り、ラスト100メートルで怒涛のごとく追い込む爆発力が武器。準決勝も最後の100メートルは同組最速でした。決勝でメダルに絡むためには『前半にもう少し行って、後半もまとめられればメダルも見えてくる』と話していましたが、世界の壁は高く、前半で置いていかれてしまった。一方で決勝の舞台でも、前半は最下位ながら、後半は鋭い末脚で2人を追い抜いての6位は立派。ただ、2028年ロサンゼルス五輪で本気でメダルを狙うなら、まだ足りない部分はあるでしょう」
東京生まれ。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ。城西高時代までは無名だったが、強豪・東洋大へ進学し、2年から本格化。22、23年の世界選手権を経験した。
同種目初の日本人メダリストにはなれなかったが、前出の高野氏がこう続ける。