「水分補給」だけでは不十分!猛暑・酷暑の対応策 気軽に摂れる栄養とは?~専門医に聞く豆乳で心も体もリフレッシュ~
暑さによる夏バテならぬ「秋バテ」が昨今増えている?
全国各地で35度を超える猛暑日が連日続く今年の夏。
気象庁によると今夏の日本の平均気温は平年と比べて2度~3度も高く、今から約130年前の明治31年に統計を取り始めて以来、最も高くなったとか。
しかも、今後も厳しい暑さがまだまだ続くことが予想されているというからウンザリする。そんな中、暑さによる夏バテならぬ「秋バテ」が昨今増えているという。どうやって「バテ」を解消したらいいやら。
「暑さ負債」が心身の不調を引き起こす
今年の夏は、まさに災害級といってもいい異常な暑さが全国を襲った。それだけに体調を損ない、毎日の睡眠や食事ではなかなか回復できない人が増えてきている。
というのは、猛暑が早くから始まり、加えていつまでも長引くことになると、日々の厳しい暑さで体に生じた負担が返済されずに溜まってしまう体の借金、いわゆる「暑さ負債」が発生。それが疲労や体調不良として現れるようになるからだ。
そして、この「暑さ負債」が解消されずに深刻化すると、まるで借金が限界を超え生活が破綻してしまうかのように、暑さが落ち着いて涼しくなる秋口に秋バテとなって、心身の不調を引き起こすようになるというから何とも厄介な話だ。
暑さ対策は水分補給だけでは不十分
暑さ対策・バテ対策というと、多くの人が第一に「水分補給」を考えるだろう。
事実、今年5月、日本テトラパック株式会社「リセッ豆乳プロジェクト」が全国の500人を対象に実施した「夏バテ対策に関するアンケート調査」でも、調査実施の5月時点ですでに夏バテ対策を始めている行動としては4人に3人(75.8%)が「水分補給」と回答した反面、「栄養バランスの取れた食事」(36.0%)や「運動」(23.4%)といった対策を挙げた人は比較的少なくなっている。この結果からも多くの人が主として水分補給に頼っており、それ以外の対策はあまり意識していないことが伺えた。
しかし、その点を踏まえて、ひめのともみクリニックの姫野友美院長は、「たしかに水分補給は大切ですが、それだけでは万全とは言えません」と警鐘を鳴らす。
人間にとって重要な栄養素「たんぱく質」
姫野院長によると、人間は暑くなってたくさん汗をかくとかなりのエネルギーを消費する。そのため、エネルギーを毎日きちんと補給していかないと自分の体を修復するための栄養素が足りなくなり、ついには体全体のバランスが崩れて細胞機能が衰えてしまい、いろいろな弊害と現れてくるのだそうだ。
「細胞が正常に働くためにはビタミンやミネラルなど、さまざまなものが必要になってきます。中でも一番重要なのがたんぱく質。人間の脳の40パーセントはたんぱく質でできていますから、たんぱく質が足りなると頭が回らなくなってくると同時に、酵素が作れなくなるので体の中のエネルギーを作る回路が回らなくなってくるんです。ですから『暑さ負債』を溜めないためには、まずはたんぱく質を積極的に摂ること、それを心がけていただきたいですね」
「暑さ負債」解消に「豆乳」が役立つ
一口にたんぱく質と言っても、肉類や卵、乳製品などに含まれる動物性と豆乳など大豆製品に含まれる植物性の2タイプがある。どちらも人間にとって欠かせない大切な栄養素だが、一方に偏ることは好ましくなく、特に吸収効率が高い動物性たんぱく質ばかり摂っていると腸内環境が悪くなりやすいことが知られている。
そこで、姫野院長が推奨する植物性たんぱく質の摂取に最適な食材がある。それが大豆を水に浸してすりつぶし、水を加えて煮つめた汁を漉した飲料「豆乳」だ。
「植物性たんぱく質を豊富に含んだ豆乳は食欲がない時でも手軽に摂れ、疲れた体を効率よくサポートしてくれます。その他、血液循環をよくする働きや夏に不足しがちなビタミンB群やカリウム、マグネシウムなどのミネラルも水分と一緒に一度に補給できますから、体の消耗を補い体調維持にも役立ちます。その意味で『暑さ負債』の解消にこの上ない優良な食品と言えるでしょうね」
弱った体は「豆乳」でリセット
豆乳が体にいいことはよく分かったが、中には豆乳のあの独特な匂いが苦手で飲めないという人もいるはずだ。かくいう記者もその1人。そんな人はどうしたらいいのか、姫野院長に適切な摂取方法を聞いてみた。
「そのまま飲むのがダメな方は豆乳を温めても効果に変化はないので、お料理に使うといいでしょう。豆乳チャウダーや豆乳スープ、豆乳鍋などさまざまなバリエーションがありますし、どれも美味しく食べられるはずですよ」
これからの冬の季節、「暑さ負債」で免疫力の落ちた体はインフルエンザをはじめとする感染症に陥る危険性が高くなる。それだけに、弱った体は今から豆乳でしっかり「リセット」しておくべきだろう。