タイムマシーン3号山本浩司さんに聞く「M-1」決勝出場 2005年と2015年の違いは?
タイムマシーン3号山本浩司さん(お笑い芸人/46歳)
年末の「M-1グランプリ」に10年刻みで決勝に進み、さらに10年を経て人気芸人となったタイムマシーン3号。ツッコミの山本浩司さんに聞くM-1の瞬間!
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最初に決勝に行けた2005年はもう20年前ですが、今も鮮明に覚えていますよ。結果は7位で、僕ら以外がすべて吉本さんの芸人でした。
しかも、僕らはお笑いの事務所ではなくて、モーニング娘。をはじめハロプロのアイドルが多くいる音楽事務所(アップフロントプロモーション)でしたから、マネジャーのみなさんがM-1自体を知らなかったんですよ。
それまでもすごい視聴率をとっていたのに「M-1の決勝出場が決まりました」と書いたチラシを、僕らのマネジャーが社内で配ったら「M-1? これはK-1みたいな格闘技か」と言われて。社内で認知してもらう作業から始まりましたから。
僕らは当時、若手がネタを競う「爆笑オンエアバトル」(NHK)によく出させていただいていたから、自分らの笑いを作るよりも、まず「ウケる」ことを優先して、目の前のお客さんにウケるためなら、自分が面白いと思うものもカットしてきたんです。とにかくお客さんを笑わせて高得点を取ろうと。オンバトで頑張った甲斐もあってM-1の準決勝では一番ウケた手応えがあり、決勝に行けました。
でも、決勝の生放送はまったく別物。まず、あの年は「レベルが高かった」と多くの人が言ってくれた大会で優勝がブラックマヨネーズさん、2位がのちに優勝する笑い飯さん。僕らの下には南海キャンディーズがいましたから。
そして、審査員席に著名な芸人が座っているからか、お客さんも準決勝とはまるで雰囲気が違って審査員目線で見ていました。
そういう場だと、相方の関太が太っていることをイジり続ける僕らの漫才はやっている最中に自分でも「軽い」と思えたんです。比べてブラマヨさんは芸人も笑うプロの漫才。ツカミはとくになく、急いで笑いを取りにいかず、少しずつ面白さがボディーブローのように効いていき、その間に2人のキャラというか、とくに気の弱い吉田さんの人間性が面白くなって、後半はもう何を言っても大爆笑になる空気だったんです。それをたった4分で演じる。「これぞ本格漫才だ」と現場で見ていて感じました。
「僕らのやっていることは漫才のマネ事だったんだなあ」と知らされた瞬間でもありました。


















