最新回の朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所~こじらせ錦織(吉沢亮)の誤解はいつ解けるのか…。THE住職な伊武雅刀はいい声!

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コクハク

第12週「カイダン、ネガイマス。」#56

【朝ドラのツボ!】

 ヘブン(トミー・バストウ)は連日、金縛りに遭っていた。トキ(髙石あかり)はヘブンにお祓いを勧めるが日本語ではなかなか伝わらず、肝心の錦織(吉沢亮)も、なぜかヘブンを避けて迎えに来ないためトキは成す術がなかった。しかし数日後、出勤前のトキを錦織が訪ねる。

 錦織から聞いたお祓いの英語の説明をトキが伝えるとヘブンは興味津々。トキはヘブンと錦織の代わりに通訳を頼まれた正木(日高由起刀)と、お祓いにでかける。

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【本日のツボ】

「庚戌(かのえいぬ)の男 レフカダ・ヘブン」
 ※※以下、ネタバレあります※※

 すっかり金縛りづいているヘブンさん。会いたいと思っているお母さんには会えず、サムライの幽霊が出てくるなんて、お気の毒です。

「苦しい?」と訊ねるおトキに対して、「メルシー?」とヘブン。言葉が通じないことを逆手にとって、すれ違いコントのような面白さを醸し出します。錦織がどうして迎えに来なくなったのか、と訝しがるおトキに、「ニシコリサン ワタシノコト キライ。キライ デショウ」とヘブン。

 拗らせ錦織はというと、ヘブンのお迎えには行かず、おトキの元へ。自分はヘブンと距離をとることにした、と言います。「なしてですか?」とおトキ。

「正月も、『ヘブンさん』『錦織さん』と呼び合おうと、言うちょりましたのに」というおトキの言葉に、「そうなんだよ!」とつい大きな声を出す錦織。

 知事の家で、「自分は通りすがりの人間だから、恋人でも友人でも深く関わることはない」というヘブンの言葉を聞いて、「自分との半年間はなんだったんだ」と切々と語ります。

 偽BLを彷彿させるようなふたりのすれ違いに、若干の萌えを感じていただけに、誤解が溶けてヘブンと錦織がまた並んで歩く姿を見られることを切に願います。

住職・伊武雅刀がいい声

 そんな傷心の錦織に、「お祓いはなんて言うんですか?」とおトキ。おトキもまた錦織を、体のいい通訳としか思ってないんかい!? と思わずツッコんでしまいました。

 が、そのおトキの無神経さのおかげで、「レツツゴウツ エクソシジミ」とヘブンに伝え、お祓いに行くことになりました。おトキのカンペの英語を見て、「カンペ、ダレ? ニシコリサン?」と気にするヘブンに、「誰だったかなあ」ととぼけるおトキ。この掛け合いも面白かったです。

 ヘブンの教え子の正木がなぜ同伴しているのかと思ったら、正木の紹介という名目でした。錦織に代わる通訳としても機能していました。

 寺の住職役はホンモノの住職よりも住職な伊武雅刀が演じています。いい声での読経に聞き入ってしまいます。「庚戌の男 レフカダ・ヘブン」のところでつい笑ってしまいました。庚戌って…。ちなみに調べましたら、ヘブンさんは1850年生まれなのですね。

 お祓いが終了すると、「オハライ オモシロイ!」とヘブン。正木の通訳を介して、「素敵なお寺」と褒めると、気をよくした住職が、「せっかく気に入っていただけたのなら、面白い話をお聞かせしましょう。我が寺に伝わる怪談がございまして…」と寺に伝わる怪談の話を持ち出します。

「怪談!」と思わず声を出すおトキ。好物を前にした子犬のように前のめりに。そしてヘブンが断らないようにと、後ろから念じていたように見えました。その念が通じたのか、「ゼヒネガイマス」とヘブン。

 それを聞き、よっしゃーというポーズをするおトキ。怪談が聞けるとワクワクのおトキ。明日は墓場で怪談。稲川淳二の「怖いな~怖いな~」が聞こえてきそうです。

(桧山珠美/TVコラムニスト)

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