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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

「ジャストミート!」「ファイヤー!」 福澤朗が求めた熱狂と明快さ

公開日: 更新日:

「ちなみにジャストミートはギャグではないんです」
(福澤朗/テレビ東京系「伊集院光&佐久間宣行の勝手にテレ東批評」12月2日放送)

  ◇  ◇  ◇

「ジャストミート!」が代名詞のアナウンサー・福澤朗(62)。彼がそれを「決めギャグ」と紹介されたことに対して補足した一言を今週は取り上げたい。

 そもそも「ジャストミート!」は、福澤が「全日本プロレス中継」(日本テレビ系)で使っていたフレーズだ。だが、当時のプロレスファンは、福澤の実況を嫌う者が少なくなかった。

 当時は、プロレスで人生を語るようなファンが大半だった。対して福澤の実況は軽かった。うるさかった。そして、どこかプロレスを小バカにしているようにも聞こえた。だから「プロレスを冒涜するな」「福澤を降ろせ」といった声も上がり、脅迫まがいの手紙が届いたりもしたという。

 福澤がプロレス中継担当を命じられたのは、日テレ入社2年目の1989年4月。「暗雲たれこめる、といったレベルではなく、いきなりの豪雨といった感じ」(福澤朗著「昭和最後のアナウンサー」弘文堂=2003年10月1日発売)だった。それまで一度もプロレスを見たことがなかったからだ。

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