【サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行】泥棒親子が障害者のキャンプに逃げ込んで良心に目覚める
アルテュス監督はパウロの心の変化を自然に映し出してゆく。フランスで大ヒットした理由はこの無理のない描写にあるのだろう。筆者は泣かせる映画は好きではないが、ラストの落ちについホロリとさせられた。
本作を見て思うのは悪人であっても、その心の内には善行への憧れが潜んでいるということ。そういえばこんな言葉がある。
「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」(『歎異抄』)
意味合いは少し違うが、本稿を書きながら声に出して唱えてしまった。(配給:東和ピクチャーズ)
(文=森田健司)



















