「ブロックしたのに…」配信者女性に近づく“ネットストーカー”の恐怖。男が取った驚きの手段
SNSなどで待ち伏せる「ネットストーカー」
ネット社会が発展するにつれ、リアルなストーカーとはまた違う「ネットストーカー」という存在が増えつつあるといいます。ネットストーカーとはどのような迷惑行為をするのか。実際に配信者からストーカー被害を受けたSさんの経験とは。
【内藤みかのあたらしいのがお好き】
ストーカーとネットストーカーの最も大きな違いは、付きまとう場がリアルかオンラインかです。リアルの場で待ち伏せされるのではなく、オンラインイベントなどのネット上の場で相手が現れるのを待ち伏せされるようなことを言います。
リアルでのストーカーは、ターゲットの自宅や職場の前をうろつき、注意されると「偶然通りかかった」などと言い訳をします。
そしてネットでのストーカーは、ターゲットのSNSやライブ配信などのネットでの活動の場の周辺をうろつき、注意されるとやはり「偶然アクセスしただけ」などと言ってごまかすのです。
最初はファンかな?と勘違い
リアルであれオンラインであれ、ストーカーの根底にあるのは歪んだ執着心です。相手の気を引きたいので、気づいてもらいやすい行動に出るのです。そして次第にその行動はエスカレートしていきがちです。
ネットストーカーに付きまとわれたアラフォーライブ配信者のSさんは、「最初はいつも視聴してくれるファンの人という認識だった」と振り返ります。しかしSさんが人気が出てくると、他のファンとのやり取りに嫉妬し、コメント欄にSさんの悪口をガンガン書き込むようになり、配信の雰囲気も微妙なものに……。
ブロックした相手がなんと配信者に
注意しても止まなかったため、やむなくSさんは彼をブロック。Sさんの番組を視聴できない「出禁状態」にしました。その結果配信が妨害されることもなくなり、平和な日々が戻ってきたのです。
しかしネットストーカーの付きまといが終わったわけではありませんでした。なんと今度はストーカー自身が配信者となり、ライブ配信を始めたのです。その配信では、はっきり名前は出していませんでしたが、Sさんのことを批判しているような内容もありました。
つきまといがエスカレート。親睦会に名前が…
ストーカーが自分の悪口らしきものを配信しているということは、嫌だなとは感じてはいました。しかし規約に反しているほどの過激な言葉を使っているわけでもないので、運営に通報するほどのことではないと放置していたのです。視聴者も少なかったので、そのうち飽きるだろうと考えてのことです。
しかし驚きの展開が起きました。Sさんは配信者同士のネットサークルに所属して情報交換をしていたのですが、なんとこのストーカーはのサークルにも入会してきたのです。オンライン親睦会でストーカーの名前を見かけたSさんは背筋が冷たくなったそうです。しかも、そこでも彼はSさんを非難する発言をしてきたのだとか。
粘着されると精神的にも疲れたり傷ついたりするものです。Sさんも会合に顔を出しづらくなり、寂しい思いを強いられることに。「オンラインのことだから、本当のストーカーとは違うし、私がガマンするしかない」と耐え続けています。
ためらわず専門機関への相談を
しかしオンラインサークルのメッセージボックスに彼からデートの誘いが舞い込むようになり、サークルを退会せざるをえなくなったのです。
ストーカーは、ひとたび狙いを定めると、驚くほどの執拗さでターゲットに付きまといます。個人的な話し合いで解決しようとするとエスカレートしてくる傾向もあるので注意が必要です。
自分の行動範囲を妨害されていると感じた場合は弁護士や警察などの専門家に相談し、できるだけ相手を刺激しない対処方法を一緒に考えてもらうといいでしょう。
(内藤みか/作家)

















