【湯葉】大豆を凝縮した良質な植物性タンパク質源が 悪玉コレステロールを下げる
湯葉は、温めた豆乳の表面に形成される薄い膜をすくい上げて作られる食品で、豆腐と同様に大豆と水のみを原料としています。その起源は中国の精進料理で、禅宗文化とともに日本へ伝わったそうです。日本では室町時代の文献にも記録が見られ、特に京都では良質な水と食文化をもとに、精進料理や懐石料理の重要な食材として発展。冷蔵技術が未発達だった時代には、乾燥させた干し湯葉が保存食として工夫され、行事食や日常食としても用いられてきたんですね。
湯葉という名前には、豆乳の表面にできる膜のしわを「姥」にたとえた説、「上」の部分をすくうことから転じたとする説があり、いずれも湯葉の生成過程を映した由来です。
栄養学的には、大豆由来のタンパク質と脂質が比較的凝縮された食品で、良質な植物性タンパク質源といえるでしょう。大豆タンパク質については、ヒト介入試験を含む複数のメタ解析により、血中LDLコレステロールを有意に下げることが報告されています。もちろん単一食品だけを取って大きな改善が得られるものではないので、肉類や高脂肪食品の一部を大豆食品に置き換えるなど、食事全体の工夫が重要になってくるでしょう。


















