【サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行】泥棒親子が障害者のキャンプに逃げ込んで良心に目覚める
TOHOシネマズシャンテほか全国公開中
この映画を見て菊池寛の小説「恩讐の彼方に」を思い出した。主殺しと辻斬りを犯した主人公が田舎の村に逃げ込み、善行に目覚める物語。洋の東西は違うが、その精神は本作に通じるものがある。本作はユーモアあふれるハートフルコメディだ。
宝石店に泥棒に入ったパウロ(アルテュス)とその父親(クロヴィス・コルニアック)。警察の追跡から逃げるふたりは、ふとした偶然で障害者とその介助者に間違われ、知的障害のある若者たちのサマーキャンプに身を隠すことになる。色とりどりの個性を持つ彼らとの笑顔にあふれた賑やかな日々は、いつしか2人の心を解きほぐしていく。
だが、そんな愉快な逃避行も長くは続かず、司直の追跡を受けるのだ。彼らが見つけた本当の宝物とは何なのか……。
パウロを演じたアルテュス監督はこう語っている。
「私はずっと、知的障害のある人たちがどんなことができるのかを描きたいと思っていました。彼らは、他ではなかなか出会えないような素晴らしい想像力や、魔法のような魅力、時に突拍子もない一面を持っています。私は彼ら“と” 映画を作りたかったのであって、彼らに“ついて”の映画を作りたかったわけではありません」


















