著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

キンタロー。はものまねの対象に呑み込まれず、自分を押し出すことで大きな笑いを生む

公開日: 更新日:

 キンタロー。の勢いが止まらない。2024年に松竹芸能から独立してフリーになってからも、多数のバラエティー番組やCMに出演している。彼女のものまね芸の魅力は、「確実性」と「破壊力」という、本来は両立しにくい2つの要素を高いレベルで同時に成立させている点にある。

 彼女のものまねは見た目のインパクトが大きく、見た瞬間に伝わるわかりやすさがある。誰でもほぼ確実に笑える上に、一度見たら腹を抱えて笑ってしまうほどの強度を持っている。この安定感と爆発力の両立こそが、近年の再ブレークを支えている最大の要因である。

 キンタロー。が最初に大きな注目を集めたのは、当時活躍していた元AKB48前田敦子のものまねだった。圧倒的な人気を誇っていた国民的アイドルを真正面から題材にする発想自体が斬新だった上に、彼女自身の資質がそのネタと完璧に噛み合っていた。

 特徴的な体形と顔立ち、そして社交ダンス講師として培われた本格的なダンススキル。本物に劣らないほどキレのある動きでアイドルの振り付けを全力で再現するからこそ、外見とのギャップが強烈な笑いを生んだ。

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