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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

草刈正雄の芸能生活56年は「出会いの奇跡」 数々の「新たな自分」を引き出してくれた

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「もう奇跡としか言いようがないですね」
(草刈正雄/テレビ朝日系「徹子の部屋」5月5日放送)

  ◇  ◇  ◇

 73歳となった現在も、若々しく第一線で活躍し続けている俳優・草刈正雄。56年もの芸能生活を振り返った一言が今週の言葉だ。

「奇跡」といえば、3年前のNHK「ファミリーヒストリー」(2023年8月14日)で、朝鮮戦争で戦死したと教えられてきたアメリカ兵の父が、実は戦死しておらず、その後の消息が判明したのも大きな話題となった。名前の正確なスペルも分からない中、たどり着いたのは奇跡としか言いようのないもの。13年に父は亡くなっていたものの、草刈はその親族と対面を果たした。

 母子家庭で育った彼は、お金になるのならとモデルの仕事を始め、上京すると、高名なCMディレクター・杉山登志と奇跡的に出会い、資生堂のCMに抜擢されて人気となり、俳優デビューにつながった。だが、その直後、人身事故を起こしてしまう。

 自責の念にかられた草刈は、ドラマを降板し、引っ越ししてまで被害者の入院先の病院に通った。「役者としての未来は絶たれた」(講談社「現代ビジネス」23年12月29日)と思っていたが、奇跡が起きた。この行動が“美談”として報じられたことで、映画のオファーは絶えなかったのだ。

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