草刈正雄の芸能生活56年は「出会いの奇跡」 数々の「新たな自分」を引き出してくれた
しかし、30代になると仕事は激減した。そんなとき思い出したのは、20代後半の頃に共演した沢村貞子の言葉。
「あんたは顔がいいんだから、とにかく腕を上げないとダメ。人の2倍も3倍もがんばらないと。そうしないと、いずれいなくなっちゃうわよ」(文芸春秋「文春オンライン」23年12月29日)
その通りだった。演技を磨かなければならない。そんな時、若尾文子に「あんた、背も高いから映えると思うし、舞台やんなさいよ」(同前)と言われた。セリフ覚えも悪かったため、「怖い」と思っていたが、1984年に出演した舞台「ドラキュラ その愛」が役者として大きな転機となった。
そんな草刈だが「役者としてやっていけるぞ」と思ったのは、60代になってからだという(エキサイト「exciteニュース」16年8月18日)。その大きなきっかけは、三谷幸喜との出会いだ。草刈の舞台での演技を見た三谷が「喜劇をやりませんか?」と自身の舞台「君となら」に誘ったのだ。「これまでもコミカルな役は演じてきましたが、そのキャリアを生かしつつも新しい自分を引き出してもらえ」(小学館「NEWSポストセブン」24年8月27日)た。
「良い意味で見ている方々を裏切りたい」(「exciteニュース」=前出)
その思いが「奇跡」につながっているのだ。



















