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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

草刈正雄の芸能生活56年は「出会いの奇跡」 数々の「新たな自分」を引き出してくれた

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 しかし、30代になると仕事は激減した。そんなとき思い出したのは、20代後半の頃に共演した沢村貞子の言葉。

「あんたは顔がいいんだから、とにかく腕を上げないとダメ。人の2倍も3倍もがんばらないと。そうしないと、いずれいなくなっちゃうわよ」(文芸春秋「文春オンライン」23年12月29日)

 その通りだった。演技を磨かなければならない。そんな時、若尾文子に「あんた、背も高いから映えると思うし、舞台やんなさいよ」(同前)と言われた。セリフ覚えも悪かったため、「怖い」と思っていたが、1984年に出演した舞台「ドラキュラ その愛」が役者として大きな転機となった。

 そんな草刈だが「役者としてやっていけるぞ」と思ったのは、60代になってからだという(エキサイト「exciteニュース」16年8月18日)。その大きなきっかけは、三谷幸喜との出会いだ。草刈の舞台での演技を見た三谷が「喜劇をやりませんか?」と自身の舞台「君となら」に誘ったのだ。「これまでもコミカルな役は演じてきましたが、そのキャリアを生かしつつも新しい自分を引き出してもらえ」(小学館「NEWSポストセブン」24年8月27日)た。

「良い意味で見ている方々を裏切りたい」(「exciteニュース」=前出)

 その思いが「奇跡」につながっているのだ。

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