ムッシュが真っ先に捕まえた「次に来るもののフック」
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──長い髪で額を覆い、右半分が影になった四人の若者の顔が、黒いバックに浮かぶように並んでいる、そのモノトーンのジャケット写真を見て、ぼくはハッとした。彼らのビジュアル、伝わってくる雰囲気、すべてひっくるめて、あのグリニッジ・ヴィレッジの空気と同じだった。まだ日本では無名だったビートルズだが、ぼくはジャケットを見ただけで、彼らを一瞬にして理解した。
グリニッジ・ヴィレッジ……この段階で、すでにニューヨークを訪ねているというのだから、さすがムッシュである。そして。
──迷わずレコードを買い、何度も聴いた。すごく新鮮で、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」がとくにぼくのお気に入りだった。(中略)そのとき、ぼくには近未来が見えたと思った。次に来るもののフックを捕まえたという確信があった。震えるくらいの感動だった。
「次に来るもののフックを捕まえた」という表現がいい。かまやつひろしは決意する。音楽的方向性のはっきりしないスパイダースをビートルズ風のバンドにするぞ、と。


















