「VIVANT」監修者が明かす制作ウラ話 「阿部寛演じる『野崎』には私自身の経験が投影されている」

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松丸俊彦さん(作家・セキュリティーコンサルタント)

 元「公安」という異色の経歴から情報番組、ドラマの監修と引っ張りだこの松丸俊彦さん。2023年に社会現象を巻き起こし、今夏待望の続編がスタートした「VIVANT」(TBS系)の第2シーズンでは自身の経験を生かして監修を務めている。ドラマのウラ話と至福の一杯について聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 警視庁時代は公安部外事警察に所属し、国内ではスパイやテロリストとその協力者を監視、尾行するいわゆる「スパイハンター」でした。その後南アフリカの日本大使館に外交官として赴任。帰国後は、外国大使館や情報機関関係者との連絡役「リエゾン」も経験しました。

「VIVANT」第2シーズンではTBSから監修をしてほしいというオファーがありました。ドラマの脚本は福澤克雄監督自らが書き下ろしています。私に求められているのは外事警察の実態を踏まえながら、ドラマとしてどんなふうにリアルに描けるかを見極め、アドバイスすることです。

 実はわれわれの現実はつまらないんです。ひたすら尾行、監視することですから。そのまま描いてもドラマにならない。逆に「あぶない刑事」みたいに拳銃持って街を走り回ったり、「西部警察」みたいにライフルをぶっ放したりしたら、現実とは異なるコメディーになっちゃいます。

■福澤監督からは「50%はリアルに」。尾行方法はかなり違います

 福澤監督からは50%はリアル、50%は視聴者が見てあり得ると思わせるところまで持っていくのが「松丸さんの仕事」と言われました。例えば第11話(第2シーズン1話)。公安の警戒下にある乃木憂助(堺雅人)が野崎守(阿部寛)に居場所を知らせようとGPSを作動させ、公安がその動きを追うシーンがあるのですが、実際の公安の尾行はドラマとはかなり異なります。

 インカムは袖の下に隠し、尾行対象者のすぐ後ろは歩きません。前からすれ違って確認することもありますが。徒歩ではなく自転車、バイク、車で引き継いで追跡することもあります。福澤監督にそう説明すると「それじゃ絵にならない」と一蹴されました。そこでインカムを耳につけ、小声で話す様子がわかるようにし、乃木を尾行するようにしました。

 そういう時の撮影現場の緊張感は相当なものです。福澤監督は細部まで妥協せず、厳しい人です。しかも、1話の制作は予算1億円ですべてやらなきゃいけないので、絶対に失敗が許されない。現場は警察の緊急対策本部みたいにピリピリしています。

 撮影直前、福澤監督から「どういう根拠でそうなのか」とスタッフが鋭く質問されることもしばしばです。スタッフがとっさに「松丸先生が言ってました!」と答えると「そうか」って。私の名前がお墨付きになるみたいです(笑)。

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