「VIVANT」監修者が明かす制作ウラ話 「阿部寛演じる『野崎』には私自身の経験が投影されている」

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阿部寛が演じる「野崎」に私自身の経験が投影されている

 阿部寛さんが演じる警視庁公安部の野崎は私自身の経験が投影されている部分もあります。13話(第2シーズン3話)のラストでは野崎が裏切り者と思わせる展開になります。このシーンについて飲み友だちから連絡が来まして。「外事警察が国を裏切ったら誰が国を守るんだ」とか、女友だちには「松丸さんが嫌いになりそう」なんて言われました(笑)。

 この先、野崎がどうなっていくのか、まだまだいろんな展開があるので楽しみにしてください。

■各国の要人と泥酔するまで飲んでも話を記憶する方法

 そんな松丸さんにとって酒は仕事と切り離せないものだとか。韓国台湾には「酒を飲まないやつは信用しない」という文化があるそうで、相手と目が合うと乾杯、乾杯の連続。ただ大使らとの会食では「飲んでも酔うな」に徹する必要がある。

 私自身は酒は好きで強い方です。相手がマッコリや紹興酒の時もとことん付き合う。そうやって相手の懐に入らないと聞けない話が多いですからね。問題はどうやって記録するかです。会食中は録音もメモも一切取らない。でも、酔っぱらったら忘れてしまう。それでも相手が話した情報、例えば人物名や年代などの細かな数字まですべてを頭に入れて持ち帰らないといけない。ですから、そういう時は「ちょっとトイレに行ってきます」と言ってトイレで腕とかお腹にメモします(笑)。

 深夜まで外国の大使と飲んだ後はそのまま警視庁へ戻り、記憶が鮮明なうちに腕やお腹に書いたメモを見て報告書を作成する。シャワーを浴びるのはそれから。その後庁内の仮眠施設で2時間ほど寝て、朝には上司の決裁を経て警視総監へ報告するんです。それが終わって昼の会食へ向かうという生活です。それを6年以上続けました。

 現役時代は身体的にかなりきつかったですね。

 10年近く前に警視庁を退官しました。危機管理会社を経て2023年に独立し、今は一人社長の会社をやっています。警視庁をやめてからは好きな酒を飲むことができるし、酔っぱらってもいいから、純粋にお酒を楽しんでいます。酔えるのは幸せです。

VIVANT」は家で酒を飲みながら見ています。それが何よりも楽しい。心置きなく飲むことができる最高の瞬間です。 

(聞き手=浦上優)

▽松丸俊彦(まつまる・としひこ)作家、セキュリティーコンサルタント。1990年代半ばに警視庁に入庁し、2000年代初めに公安に配属されてからは一貫して公安、外事畑を歩いた。現在は情報番組などのコメンテーターとして番組出演多数。セキュリティーコンサルタントとして国内外で活動。

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