糖尿病と「映像酔い」の意外な関係…画面を見たり思い出すだけで揺れる
「床が揺れているように感じて怖くなり、その場で座り込みたくなるんです。釣り番組や遊園地のアトラクション映像を見ると、特にひどい。最近では、その映像を思い出しただけでも気持ち悪くなることがあります」
そう訴えるのは、糖尿病のある60代男性だ。夏の暑さから、食事はそうめんや冷やし中華が中心になり、一度に大量に食べることも増えた。暑さを避けるため、スマホの動画やテレビを見る時間も長くなった。そんな生活が続いたころから、動きの激しい映像を見ると、実際には体が動いていないのに「揺れている」ような感覚に襲われるようになったという。
男性には、もうひとつ気になる経験がある。幼いころ、大しけのフェリーで一晩過ごし、激しい揺れに怖い思いをしたことだ。「あの経験が原因ではないか」と本人は考えている。
強い揺れの経験が、その後の「揺れ」に対する感覚に影響する可能性はある。船などで長時間揺られた後、陸上に戻っても「まだ船に乗っているようだ」「床が揺れている」と感じる「下船後症候群」(Mal de Débarquement syndrome:MdDS)も知られている。ただし、下船後症候群は通常、船などの持続的な運動の後に揺れの感覚が続くもので、今回の男性の症状を下船後症候群と同じものと考えることはできない。


















