本橋信宏
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本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。“東京の異界シリーズ”第5弾「高田馬場アンダーグラウンド」(駒草出版)発売中。「全裸監督 村西とおる伝」(太田出版)が、山田孝之主演でNetflixから世界190カ国同時配信決定。

1973年夏 野田は夏木マリの営業担当マネジャーになった

公開日: 更新日:

「いま売り出し中の女性歌手がいるんだ。一緒に仕事してみないか」

 1973年夏、野田義治に声がかかった。

 歌舞伎町ディスコ「サンダーバード」支配人として、ステージに登場するミュージシャンたちのブッキングをしているうちに芸能界とつながりをもつようになった。酔客相手に店を切り盛りし、ステージにバンドを乗せる野田の仕切りぶりは一部の芸能界で噂となっていた。野田義治に現場マネジャーの口がかかったのだ。

 声をかけてきたのは大和企画という中堅の芸能プロダクションだった。

 売り出し中の女性歌手とは、2年前の71年、デビュー曲「小さな恋」を歌ったものの鳴かず飛ばずだった中島淳子という若手だった。

 お嬢さま路線を放棄し、グラマラスな姿態を前面に打ち出し、セクシーさという大衆にわかりやすいコンセプトを打ち出した。

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