池袋の古民家酒場「萬屋 松風」でカップルに囲まれ梅見酒を楽しむ
第70回 池袋(豊島区)②
桜で有名な目黒川沿いを散歩していると、すでに一部の桜は芽吹いているではないか。
しゃれたカフェの前の木の細い枝には薄いピンク色の花びらが開いている。梅はもう咲いているんだ……。そういえば昨夜は満月だったなあ。
柄にもなく風流な気持ちになった還暦男。今年は花鳥風月を友とする年にしようと思ったのも束の間、そうだ、梅を写メしてそれを見ながら花見酒としゃれこむか。行き先は池袋の萬屋松風。ここで白鷹の熱燗だ! やっぱり友は酒かな。
5時の開店より早く着いたので、西口周辺を散策。公園横には東京芸術劇場があり、高尚な雰囲気を醸し出しているが、路地を一歩入ると朝から飲める酒場があり、すでにデキ上がったオッサンたちが道端に座り込んでいたりする。やっぱり池袋だなあ。
そこから北に向かって線路沿いに出ると、官能を刺激する匂いが漂ってくる。五香粉や南国特有のフルーツの香りが入り交じった匂い。平和通りから西一番街に入ると路地から漂ってくるのはスパイシーな香り。まるで東南アジアの裏通りだ。
歩いている人たちもアジア系が多い。もちろん観光客ではない。日本で働いている人たちばかりだ。そんな西一番街には有名ウナギ屋の総本店やら老舗の居酒屋やらが軒を連ねている。狭い路地には数軒の激安ソープや怪しい風俗店が並んでいるが、先ほどからずーっと客引き注意のアナウンスが流れているのがなんとも池袋っぽい。
■昭和39年にあんみつ屋として創業
目的の萬屋松風は街のど真ん中にある池袋演芸場の向かい角。昭和39年にあんみつ屋として創業。49年に現在の居酒屋となって50年。外観は昔の古民家酒場そのものだ。
引き戸を開けて中に入ると、木造の店内は外の喧騒と隔絶する落ち着いた雰囲気。手前には4人掛けのテーブルが5脚ほど。奥の厨房を囲むカウンターには7~8人座ることができる。アタシはカウンター端に案内され、まずは生ビール(510円)と出汁巻き卵焼き(550円)でスタート。
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