新宮市立図書館(和歌山県新宮市)信仰と文芸の町を一望できる展望デッキ
中上健次が実際に使っていた机や書棚を展示
目玉は新宮市出身の芥川賞作家・中上健次の展示だ。
「没後翌年から散逸防止のため資料収集が始まり、館内に展示コーナーを常設しました。那智勝浦町の仕事部屋で中上さんが実際に使っていた机や書棚、原稿を送受していたFAXなどを配置し、当時の空気感をそのまま再現しています。遠方からこのコーナーを目指して来られる方も珍しくありません。利用者が自由に感想を書けるようにと置いてあるノートを読むたび、関心の高さを実感します」(道前さん)
館内は約120席を備え、フロア外周はガラス張り。紫外線をカットしつつ自然光を取り入れ、明るい環境で読書や学習に集中できる。北と東側は窓に面した閲覧机があり、その大半にはコンセントが付いている。携帯端末のバッテリー残量を気にせず、思い思いの作業に没頭できるのはありがたい。
リフレッシュには南と西側の外周に設置された自由に出入りできるデッキがうってつけだ。
「あたりに高い建物がなく視界が開けているから、町を一望できるんです。同窓会で訪れた方々が『ここからなら町が全部見渡せる』とデッキに集まっていたのも印象的でした。山の上にある新宮城跡を真横から眺められるのもここだけ。特に春は城跡の桜が奇麗に見えて癒やされますよ」(道前さん)
飲み物はデッキならOK。町を見下ろしながら、一服。のんびり日なたぼっこするのもいい。
●住所 和歌山県新宮市下本町2-2-1
●開館時間 午前9時~午後6時(休館日は月曜、月曜が祝日の場合は翌平日、年末年始、月1回館内整理日、年1回特別整理期間)
●アクセス JR新宮駅から徒歩13分