政令指定都市の分煙環境(下)補助事業で屋外分煙施設19か所を整備した名古屋市

公開日: 更新日:

 名古屋市の助成内容は1カ所の上限が300万円で、賃料や維持費への補助はない。令和5年度の市の受動喫煙防止対策関連予算3400万円のうち、3000万円がこの助成事業に計上されている。賃料や維持費への助成について担当部局に問い合わせると「東京の特別区では実施しているところもあり、来年度以降、検討していきたい」とのことだった。とはいえ、市のたばこ税収が168億円もある点を考えると、予算額は税収の1%にも満たない。予算拡充は十分可能なはずだ。

 コロナ前(2019年度)に年間1500万人超の観光客(外国人宿泊客は242万人)を迎え入れていた札幌市。最近は完全にコロナ前の状況に戻ってきている。市に一般の利用客に開放されている公衆喫煙所の設置数を尋ねて驚いた。大通公園にある密閉型の喫煙所1カ所のみだった。

 152億円のたばこ税収がありながら、1カ所とは呆れてしまう。最近になって市は、大通公園に喫煙所を増設し、その影響を検証する実証実験を行う方針を明らかにし、検討会も開かれた。実証実験は12月上旬から24年3月末までで、利用状況や喫煙者と非喫煙者双方の利用環境向上について検証するという。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし