9月1ドル87円の衝撃リポート “円高倒産”再び続出の現実味
金融市場で円高基調の勢いが増している。日銀が今年1月にマイナス金利導入を決定して以降も、円高進行は止まらず。昨年末は1ドル=120円台だったが、今年2月中旬には1ドル=115円台を割り込み、現在は112円台まできた。米国の4月利上げの“見送り”で、さらに円高圧力が高まっている。
一体どこまで円高が進むのか。昨年12月の日銀短観によると、大企業・製造業の想定為替レートは1091社平均で119円40銭。すでに想定以上の円高になっている。輸出に頼る企業は戦々恐々だろう。
そんな中、「今年9月には“1ドル=87円”」というリポートが、関係者に衝撃を与えている。エモリキャピタルマネジメント代表の江守哲氏が東洋経済オンラインに寄稿したもので、「ここまでの急激な円高が進むのか」というわけだ。改めて、江守氏に聞いてみた。
「過去の為替相場の急落局面を調べていくと、いったん円高トレンドに向かうと、87、85、83円まで突っ込むのが平均的な動きです。今後、円高基調は少なくとも今年9月までは続くと考えられる。その際は1ドル=87円まで進むと思います。(3年前に)アベノミクス相場が始まった時も1ドル=75円で、1ドル=125円まで50円も円安になっている。今度は逆に50円の円高になってもおかしくない。為替と日経平均株価の関係を見ると、1ドル=87円では、株価水準は1万1000円前後。もう一段下がり、1ドル=83円になれば、1万円割れもあるでしょう」