ロシアのデフォルト“Xデー”は5月上旬!株への影響は?
「近くロシアがデフォルトに陥る」とさかんに言われているが、その時、株価はどうなるか。
ロシアは1998年にもデフォルトを起こしたことがある。ソ連崩壊後ずっと続いた経済疲弊に、97年のアジア通貨危機がトドメを刺した。原油価格の低迷も重なり、外貨の資金繰りに窮してデフォルトに陥った。
その影響で、ロシア国債を大量に買い付けていた米大手ヘッジファンドLTCMが破綻、世界の金融市場を揺るがした。米FRBが98年9~11月の3カ月間で3回の利下げを実施し、金融不安の沈静化に動いたことで、かろうじて米国株価の暴落は食い止められたのだが、日本株はそうはいかなかった。
当時の日本はといえば、長銀、日債銀が経営破綻する金融危機の最中にあり、日経平均は98年10月に1万3000円割れし、その時点でのバブル後の最安値を更新した。ロシア危機やそれに伴う世界金融危機に大きく揺さぶられたのだ。
今回はどうか。
いまロシアは、デフォルトの回避に綱渡りを続けている。今年3月のドル建て国債の利払いはなんとか履行し、4月4日の21.29億ドルのドル建て国債の償還、利払いも償還額の7割強をルーブルで前倒しして見込みが立ったとされる。しかし、米財務省はこれを承認しなかったことが判明している。米政府は、投資家はダメージを受けるが、ロシアをデフォルトに追い込むことが得策になると考えているのだ。いまの状況だと、4月4日から30日の猶予期間後にデフォルトが確定する。つまりXデーは5月上旬である。