零細農家を根こそぎ滅ぼす農協改革
安倍政権がデフレ下で凍結してきた年金抑制策「マクロ経済スライド」を4月から初めて実施する。この先、年金支給額の伸び率は物価上昇率より低く抑えられる。世界史上例を見ない急速な少子高齢社会を考慮すると、この抑制策を歓迎するわけではないが「一つの解」とは言えよう。
深刻なのは年金の担い手不足だ。ただでさえ、数の少ない若年層は低賃金の非正規雇用が多く、高齢者を支える力は衰えゆくばかりだ。政府もやっと出産・育児の環境整備に重い腰をあげたが、遅きに失した。高齢化の猛烈な勢いに対策が追い付かず、年金制度は早晩、崩壊しかねない。
歴代政権が長年、「担い手不足」を放置したために崩壊の危機に瀕しているのは、日本の農業も一緒である。
政府・自民党はJA全中の改革案を決定。近く農協法の改正案を国会に提出する。安倍政権はいわゆる「岩盤規制」を打ち砕くことを目指しており、「60年ぶりの改革」に血気盛んなようだが、その60年の間に農業は衰退の一途をたどった。