消費税増税こそ問題なのに 「軽減税率」自公協議の茶番劇

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 2017年4月の消費税率10%の引き上げと同時に導入される軽減税率の対象品目をめぐる自民・公明両党の協議が最終局面を迎えている。11日、対象を「生鮮食品」だけでなく、「食品全般」や「外食」に広げることで決着――との話が流れたが、夜になって「協議継続」が報じられた。だが、国民の税率負担を軽くするための真剣議論が続いていると思ったら大間違いだ。

 そもそも対象品目で自公両党がモメていること自体が壮大な茶番劇だ。ゴタゴタするなら消費税率を引き上げなければいい。国民にとっては、それが最善策だ。自公政権は消費税率の大幅アップを問答無用で決めながら、今さら「低所得者対策」もヘッタクレもない。自公協議は、来夏の参院選で公明党の協力を取り付けたい自民党が、公明党の「手柄」を“演出”しているだけ。最大の注目は、軽減税率の品目拡大で必要とされる1兆~1.3兆円規模の財源の捻出をどうするのか――ということだ。

 1本当たり3円増という「たばこ税」増税もあるが、とりわけ許せないのが、低所得者の医療費などを国が補助し、自己負担額を軽くする「総合合算制度」の見送りだ。これで約4000億円を確保するというのだが、こんなバカな話はない。

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