著者のコラム一覧

保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

保阪正康日本史縦横無尽

天皇のためなら何をやっても許されると「大善」を妄信した

公開日：2019/04/11 06:00　更新日：2019/04/11 06:00

張作霖爆殺事件（奉天軍閥の指導者張作霖は専用列車で奉天に向かう途中、京奉線で爆破され暗殺された）／（Ｃ）共同通信社

　軍事指導者たちは何としても、戦争に訴えて局面を打開しようと考えているかに見えるが、現実には戦争それ自体が目的であった。軍人は本来なら、戦争の抑止力としての立場があるが、日本では戦争によって自らの存在を認めさせようという考え方にとらわれていたのである。昭和１０年代の軍事指導者は２…

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