高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

異次元緩和でジャブジャブにしたはずのマネーはどこへ?

公開日: 更新日:

 最近、ある講演会で聴衆から「安倍さんはアベノミクスは成功したと言い張っていますが、異次元緩和と称してつぎ込んだお金は一体どこへ行ったのでしょうか」という質問があった。

 その日は経済がテーマでなかったが、私は「ちょっとお待ち下さい」と言ってパソコンの中から1枚の画像を探し出してスクリーンに映した。それは、半年に一度は数字を改定しながら常時持ち歩いている「異次元緩和を阻む3段階ダム」と題する図で、アベノミクスが始まった2013年の3月から6年間で、日銀が供給するマネーの総額である「マネタリーベース」は138兆円から523兆円に3・8倍も増えたというのに世の中にはそれほどお金が出回っていない現象がどうして起きるのかという構造を示している。

 日銀は刷り増したお札をヘリコプターで撒くわけにはいかないので、そのお金で国債を買う。それも直接市場から買うことはできないから民間銀行が保有する国債を買い上げ、その代金は各行が日銀内に設けている当座預金口座に振り込む。ここの利率は低いか、もしくはゼロ、さらに16年2月からは一部にマイナス金利が課されることになり、置いておくだけ損になるから、各行はドンドン引き出して貸し出しや投資に回すだろうと想定されていたのだが、各行はいっこうに引き出さず口座に貯まる一方。そのため、同口座の残高は6年前には58兆円に過ぎなかったのに、353兆円も増えて何と7倍の411兆円にまで膨らんだ。理由は簡単で、世の中には設備投資や消費ローンを組むような需要がないからである。

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