3.11から9年 朝日新聞“原発記者”が現場を外される異例人事

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 11日で東日本大震災から丸9年。新型コロナウイルス禍で政府主催の追悼式が中止されるなど風化が懸念されているが、そんな中、朝日新聞で前代未聞の人事異動が内示され、社内に衝撃が走っている。

■定年前社員だらけ「記事審査室」への異動

 原発報道に取り組み、同紙で新聞協会賞を2度も受賞(取材班)した社会部の女性記者Aさん(46)が現場から外され、広報部門の「記事審査室」への異動を命じられたというのだ。「記事審査室」は8人ほどが在籍し、主にデスクや部長などを経験した定年前の社員が配置される部署。毎朝、新聞各紙を読み比べ、自社の記事に対する論評を執筆し、編集部門に届けるのが仕事だ。そこへデスク経験もない記者が配属されるのは異例で、社内では「あり得ない人事」との声がしきりだという。

 人事発令は4月1日付。会社の説明は「記事審査室に若い人や女性を増やす」ということのようだが、それを真正面から受け取る社員はほとんどいない。

「福島原発事故をめぐる吉田調書問題後も、Aさんは原発報道を被災者目線で地道に伝えてきた。2年前には被災地を丁寧に取材した著書を出版し、各地で講演も行っています。会社は原発を批判する報道を煙たく思っている。『原発問題を取材しすぎると、こうなるぞ』という“見せしめ人事”じゃないかと疑われています」(朝日新聞社員)

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