内閣支持率急降下 「脱税ふざけるな一揆」で山が動く予感

公開日: 更新日:

 いったい、いつになったら「説明責任」を果たすのか。悪党なら悪党らしく、往生際だけでも潔くしたらどうだ。

 自民党の「裏ガネ」議員に対し、野党は「政倫審」に出席して説明するように求めているが、自民党は「なかなかハードルが高い」(浜田国対委員長)などと、まったく応じようとしない。

 野党が政倫審への出席を求めているのは、衆院では51人。ほとんどが安倍派の議員である。焦点は「安倍派5人衆」を政倫審に引っ張り出せるかどうかだ。さすがに野党も51人全員の出席は難しいと考えているらしいが、安倍派を牛耳ってきた幹部5人の出席だけは譲らないつもりだ。安倍派だけで6億円もの裏ガネを懐に入れていたのだから当然だろう。

 ところが安倍派幹部は、この期に及んで徹底抗戦の構えなのだから、往生際が悪いにも程があるというものだ。朝日新聞によると、自民党の執行部に対して「政倫審を開くな」と圧力をかけているという。

 5人衆の一人、萩生田光一・前政調会長は「どういう話をする必要があるのか、私が話せることなのか、分からなければ対応できない」とイチャモンをつけ、世耕弘成・前参院幹事長にいたっては「自民党で出るべきだという話になれば出る。ただ、その位置づけや線引きはロジックが必要だ」と、俺を引っ張り出すロジックがあるのか、と自民党執行部を恫喝する始末だ。

 岸田首相もまったくヤル気がない。国会で「せめて安倍派の幹部に出席を促して欲しい」と野党から質問されても、「これからも説明責任を尽くすように促していきたい」と、ひたすら「説明責任」という単語を繰り返すだけだ。

 安倍派の幹部が素直に政倫審に出席しようとせず、ゴネている理由は明らかだ。「参考人招致」や「証人喚問」に進展させないための戦術なのはミエミエである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

「虚偽答弁をすると偽証罪に問われる“証人喚問”と違って、政倫審は嘘を言っても罰則がなく、しかも非公開で行われる。疑惑議員にとっては、痛くもかゆくもないセレモニーの場です。しかし、政倫審出席のハードルを上げておけば、あたかも政倫審が厳しい場であるかのように演出できる。安倍派幹部も岸田首相も、それを狙っているのでしょう。ゴネればゴネるほど、政倫審の価値が上がっていく。その上で、もったいぶって政倫審に出席し、『説明責任は果たした』と、政倫審への出席を免罪符に使うつもりなのでしょう」

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  4. 4

    高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない

  5. 5

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  1. 6

    「NHKから国民を守る党」崩壊秒読み…立花孝志党首は服役の公算大、斉藤副党首の唐突離党がダメ押し

  2. 7

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  3. 8

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  4. 9

    国民民主党でくすぶる「パワハラ問題」めぐり玉木雄一郎代表がブチ切れ! 定例会見での一部始終

  5. 10

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明