著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

桐生くん、科学なんざ信用するなよ

公開日: 更新日:

 アメリカ・オレゴン州で22日から行われる世界ジュニア陸上へ向けて、陸連が現地まで科学委員会の分析チームを派遣して、100メートルの桐生祥秀選手(18)が日本人初の9秒台を出すかも知れぬ走りを、「科学のメス」で解析するらしい。

 この競技場は追い風が吹き、タイムの出やすい条件なのだそうだ。2020年東京オリンピックの強化策に日本人初の9秒台を科学的な後押し。聞こえはいいが、どんな解析をされるんだろうなあ?

 体中に電気の通る吸盤を貼り付けられ、高速度カメラで横から正面から走る姿を撮影され、同年代のジュニアライバルだと目されているトレイボン・ブロメル(米)とのフォームの違いを徹底的に比較され、「NHKスペシャル」で「メダルへ、日本人初9秒台への軌跡!」などと派手な特番を組まれるのだ、気の毒に。

 非常に残酷な言い方だが、桐生君が2020年に金メダリストになるのは無理と思う。日本人初の9秒台などという大ざっぱな桁を使うのはよしてもらいたい。桐生君の期待されている記録は9秒9台。世界にゃウサイン・ボルト(ジャマイカ)の9秒58を筆頭に、9秒9台以下のタイムで疾走する選手がゴロゴロいる。彼らは日本人選手とは体のつくりが全然違う。頑張っても予選突破がせいぜい、メダルなどと無駄に騒ぎ立てるもんじゃない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 2

    84歳の五月みどりが最期のパートナーと過ごす“やすらぎの刻”…経営するギフトショップは閉店

  3. 3

    五月みどりと中村玉緒が共に施設に入居…“同い年の女優”それぞれの晩年

  4. 4

    やす子は人間不信に…友人から借金を頼まれたら「さっさと貸して縁を切る」という新発想

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希は「ひとりぼっち」で崖っぷち…ロバーツ監督が“気になる発言”も

  1. 6

    1000円の小遣いでも嬉しかったほど安月給でも、「カネはない」など口が裂けても言えなかった

  2. 7

    小祝さくらは「加齢の影響」漏らしていた…ツアー6週連続欠場の深刻度

  3. 8

    森保監督が38歳の長友佑都を日本代表に招集し続けるワケ…7月の中国戦はラスト通告だった

  4. 9

    やす子に“賞味期限切れ説”…1年前「24時間マラソン」で意図せずスターになるもTV業界の評判ダダ下がり

  5. 10

    阪神の独走を許した「巨人の大罪」…1点差にめっぽう弱い要因を元コーチ2人が看破する