「スコールの夜」芦崎笙著

公開日: 更新日:

■雇用機会均等法後の女性活用の現実に鋭く切り込んだ企業小説

 吉沢環(たまき)は、メガバンクトップ、帝都銀行本店で初の女性管理職に抜擢された。東大法学部を卒業し、女性総合職1期生として入行してから20年。私生活を半ば犠牲にして手に入れたポストは総合企画部・関連事業室長。そこで環が任されたのは、赤字経営が続く子会社の解体という汚れ仕事だった。

 頭取の理不尽な鶴の一声で決まった方針だが、矢面に立たされたのは環。保守的な男社会の中で、嫉妬や偏見に押しつぶされそうになりながら、環は戦う。

 第5回日経小説大賞を受賞した話題作。爆発しそうな感情を抑え込んで組織人であろうとする女性管理職の内面がリアルに描かれる。だが、著者は男性で、現在、財務省大臣官房参事官を務める現役キャリア官僚。男女雇用機会均等法後の女性活用の現実に、小説という形で鋭く切り込んでいる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    博多大吉とデート報道 赤江珠緒が気を揉む"あの男"の存在

  2. 2

    イタリア政治に風穴あけた「五つ星運動」共同設立者に聞く

  3. 3

    桑田真澄というカリスマが高校野球に物申したことの意義

  4. 4

    強豪校監督に聞いた 高校野球の球数制限「賛成?反対?」

  5. 5

    好調"月9"を牽引 本田翼が放つ強烈オーラと現場での気配り

  6. 6

    豊洲市場“黒い粉塵”問題 都のお粗末清掃で汚染水まみれに

  7. 7

    安倍首相に怯える公明 増税延期解散なら小選挙区壊滅危機

  8. 8

    大食い客から猛批判「やよい軒」おかわり有料化の視界不良

  9. 9

    “新 加勢大周”でデビュー 坂本一生さんが見つけた天職とは

  10. 10

    いいとも青年隊 工藤兄弟が語った“双子キャラ”への反発心

もっと見る