「都心集中の真実」三浦展著
人口が減少に転じる中、東京23区内だけは増え続け、ある推計ではその傾向は2035年まで続くという。23区内の人口はこれまで何度か増減を繰り返してきたが、00年以降は伸びが大きく、史上最大を更新し続けている。本書は、データを町丁別に検証しながら、その人口集中の背景と課題を解説したリポート。
85年を起点にすると、2017年までに日本人が67万人増えたのに対し、外国人は29万人増加しており、増加に外国人が貢献していることが分かる。若い世代に限ると、新宿区百人町1、2丁目などは25~34歳の人口の5割以上が外国人だという。
その他、区別の所得格差や、未婚女性が増加した区、出生率などさまざまな視点から都心集中の実態を分析する。
(筑摩書房 740円+税)