「アメリカ」橋爪大三郎、大澤真幸著
世界中の人がアメリカ的な価値観が標準であるという前提を受け入れている。しかし、アメリカ社会はそれぞれの国や社会の平均値からは程遠く、西洋社会の中でも非常に特異な存在であり、「標準なのに例外」なのがアメリカだと大澤氏は言う。戦後の日本人は基本的にアメリカが好きだが、日本人ほどアメリカを理解できていない国民はほかにいないとも。愛着の大きさと無理解の落差が戦後日本を特徴付けており、アメリカを知ることは日本を知ることにもなる。
本書は、社会学者の2人が、アメリカの土台ともいえるキリスト教と、アメリカ的思考ともいえるプラグマティズムという思想を切り口に、日本人の知らないアメリカの本質に迫る対談集。
(河出書房新社 920円+税)