「アメリカ」橋爪大三郎、大澤真幸著

公開日: 更新日:

 世界中の人がアメリカ的な価値観が標準であるという前提を受け入れている。しかし、アメリカ社会はそれぞれの国や社会の平均値からは程遠く、西洋社会の中でも非常に特異な存在であり、「標準なのに例外」なのがアメリカだと大澤氏は言う。戦後の日本人は基本的にアメリカが好きだが、日本人ほどアメリカを理解できていない国民はほかにいないとも。愛着の大きさと無理解の落差が戦後日本を特徴付けており、アメリカを知ることは日本を知ることにもなる。

 本書は、社会学者の2人が、アメリカの土台ともいえるキリスト教と、アメリカ的思考ともいえるプラグマティズムという思想を切り口に、日本人の知らないアメリカの本質に迫る対談集。

(河出書房新社 920円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  3. 3

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  4. 4

    橋本環奈『おむすび』はNHK朝ドラ視聴率ワーストほぼ確定…“パワハラ疑惑報道”が致命傷に

  5. 5

    中居正広氏は37年で築いた資産喪失の瀬戸際…不動産複数所有で倹約家も「違約金+α」の脅威

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  3. 8

    “かつての名門”武蔵の長期低落の深刻度…学習塾「鉄緑会」の指定校から外れたことも逆風に

  4. 9

    石丸伸二陣営に都知事選での公選法違反疑惑…矢面に立たされた渦中の「T氏」の正体と釈明

  5. 10

    橋本環奈「おむすび」浮上の足を引っ張るギャル衣装のダサさ…「カムカム」「ばけばけ」も逆風に