「アメリカ」橋爪大三郎、大澤真幸著

公開日: 更新日:

 世界中の人がアメリカ的な価値観が標準であるという前提を受け入れている。しかし、アメリカ社会はそれぞれの国や社会の平均値からは程遠く、西洋社会の中でも非常に特異な存在であり、「標準なのに例外」なのがアメリカだと大澤氏は言う。戦後の日本人は基本的にアメリカが好きだが、日本人ほどアメリカを理解できていない国民はほかにいないとも。愛着の大きさと無理解の落差が戦後日本を特徴付けており、アメリカを知ることは日本を知ることにもなる。

 本書は、社会学者の2人が、アメリカの土台ともいえるキリスト教と、アメリカ的思考ともいえるプラグマティズムという思想を切り口に、日本人の知らないアメリカの本質に迫る対談集。

(河出書房新社 920円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン