「中国不動産バブル」柯隆著

公開日: 更新日:

「中国不動産バブル」柯隆著

 14億人もの人口を有し、土地資源が極端に不足している中国では、不動産神話が崩れることは絶対にないと信じられてきた。しかし、2021年の大手不動産ディベロッパーが初のデフォルトに陥ったのを皮切りに、23年には業界最大手もデフォルト、中国の不動産バブルはもはや崩壊したと言ってもよい。

 不動産バブルの崩壊による経済危機は、習政権にとっては1党独裁体制を揺るがす脅威でもある。

 中国経済の専門家の著者は、不動産バブルの形成と崩壊は中国社会に内在する制度的歪みによるものだと指摘。

 土地の公有制を維持してきた中国でどのように不動産バブルが起き、そして崩壊に至ったのか。中国不動産市場の内実を解説するとともに、その政治システムの経済制度の問題点に迫る現代中国解説書。

(文藝春秋 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する