中国経済はバブルリレーのアンカー(最終走者)なのか?

公開日: 更新日:

「中国経済はどこまで崩壊するのか」安達誠司著

 急減速の中国経済。世界が身構える中、先行きは読めるか――。

 5年前、中国の急成長の勢いに世界が目を見張っていたさなか、証券系アナリストの著者は新興国ブームの終わりを予想し、「中国経済ピークアウト論」を主張した。それに対しては学界からも悲観的すぎるのではないかと指摘されたが、その後の展開は著者の予測が正しかったことを裏づけている。なぜ予測できたのか。

 第1は1980年代以降、経済では世界のどこかでバブルが発生しては崩壊し、別の地でまたバブルになっては崩壊し、という「バブルリレー」を続けていること。第2に、金融機関の融資を政府がコントロールできる共産主義中国では「痛みをともなう」バブルの処理ができず、過去の不良債権を未来に先送りすることが恒常化している可能性があることだ。

 果たして中国はバブルリレーの「アンカー(最終走者)」なのか、それともどこか次の走者(国)にバトンを渡すのか。中国が問題の抜本的解決に失敗して資本が海外に流出し続ければバブルリレーは豪州、カナダ、ノルウェーといった「資源国の不動産」にバトンタッチされるだろうと著者は読んでいる。(PHP研究所 760円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「転職者は急増」なのに「人材派遣会社は倒産」が増えているワケ

  2. 2

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  3. 3

    驚きの品揃え! ダイソーでほぼすべて揃う「防災グッズ」の実力は?

  4. 4

    優勝の祝儀で5000万円も タニマチに頼る“ごっつぁん体質”

  5. 5

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  1. 6

    長嶋一茂はこんなにも身だしなみを意識している? VIOはもちろんアンチエイジングも

  2. 7

    大関・大の里すでに「師匠超え」の鋼メンタル!スキャンダル報道もどこ吹く風で3度目賜杯

  3. 8

    大関・大の里3度目優勝で期待される「大豊」時代の幕開け…八角理事長も横綱昇進に期待隠さず

  4. 9

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 10

    国民民主党はやっぱり与党補完勢力だった! 企業・団体献金「存続」で自民党に塩を送る罪深さ