海外サッカーを追いかけて40年の集大成「海外サッカーの世界」赤木真二著

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「海外サッカーの世界」赤木真二著

 1982年1月、一度はあきらめていた「カメラマン」という職業へのこだわりが再燃した著者は、勤務していた会社を辞め、南米に旅立つ。

 現地でスペイン語を学び、南米を縦断して、その夏に行われるFIFAワールドカップ・スペイン大会を取材する予定だった。

 メキシコからコロンビア、エクアドルと南下して、ペルーの首都リマに滞在して3日目の朝、カフェスタンドで隣の客が読んでいた新聞の記事に目が留まる。

 そこには、西ドイツ(当時)代表が、ブラジル代表とアルゼンチン代表と親善試合を行うと書かれていた。

 すぐにリオデジャネイロに移動した氏は、東京の編集者に連絡して取材パスを手に入れ、10万人の観衆の熱気に包まれたあのマラカナンスタジアムで、西ドイツとブラジルの試合に挑む。

 キックオフ前の国歌斉唱で出遅れ、大勢の人垣を四つん這いになりながらかき分けて進むと、目の前が突然開け、マンフレート・カルツや黄金のカルテットの中心にいたジーコらの姿が現れ、無我夢中でシャッターを切る。

 その初めての国際試合以来、40余年にわたって、海外サッカーを現地で取材してきた氏の写真集だ。

 1987年9月、セリエA・ナポリの一員としてチェゼーナと対戦するディエゴ・マラドーナ。そのユニホームの左胸には、前年のセリエA優勝を示すエンブレム「スクデット」と、右胸にはコッパ・イタリア優勝を意味する「コッカルダ」のエンブレムが輝く。

 マラドーナとともに絶頂期を迎えていたナポリを象徴する一枚だ。

 1992年の12月6日、フィオレンティーナがホームのアルテミオ・フランキにユベントスを迎えての一戦。

 夕日に照らされた観客席は、東スタンドのバルコニーまで見渡す限りサポーターで埋め尽くされ、ゴール前でのフリーキックの結末を固唾をのんで見守っている。ボールの行方を祈るような気持ちで見守る静まり返った観客席にみなぎる緊張感が写真からも伝わってくる。

 1994年10月30日、ユベントスとACミランとの試合では、共にイタリア代表のロベルト・バッジョとフランコ・バレージがそれぞれのチームを牽引して戦っている。2人はその夏のワールドカップ・アメリカ大会決勝のPK戦で、ゴールをはずした2人だ。

 そんなセリエAの試合をはじめ、イングランドのプレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグにおける、豪華なタレントたちのプレーを臨場感たっぷりに伝える。

 スタジアムに集まってくるサポーターたちの楽しそうな笑顔や、スタジアムの熱狂、そしてチームを率いる名将たちの素顔、練習風景などのスナップまで。

 世界中がサッカー一色に染まる今、「にわか」にも根っからのファンにもお薦めの一冊。 (カンゼン 3960円)

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