WOWOW新ドラマの大森立嗣監督「坂井真紀は珍しい女優」

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「原作を読んですぐに引かれました。タイトルにある『かなた』。現実の彼方にある虚構だったり、法律では裁けない心の彼方だったり。そういう部分に引かれる。原作が短編集なので1話と4話はリンクしているものの、2話と3話はそれぞれ別物のストーリー。終わってみれば、映画1本と50分のドラマを2本つくった感覚。今年も暑い夏でしたし、富士山にも登りましたし、何よりおのおの圧力がある俳優たちですから、大変でした。達成感? それはないない。もういいトシこいてますからねえ……」

■「僕の頭の中のギャップなんてつまらないものです」

 1話と4話で薄幸のシングルマザー・豆田日都子を演じる坂井の起用にも、明確な理由がある。

「<坂井真紀はこうだ!>みたいな決まりきった感じがない。これまでさまざまな役柄をやっていながら、色に染まらないスタンスが保てる俳優って珍しいと思うんですよね。共通の友人がいて一緒に飲んだことはあっても、俳優と監督として仕事したのは初めて。映画をつくる時っていつもそうなんですが、誰かで撮ると決めた時点で、主人公は架空の人物ではなく、演じる役者そのものになってしまう。今回でいえば、日都子は坂井真紀なんです。その時点で監督の仕事は極端にいえば、終わったようなもの。たとえ描いていたイメージとのギャップが生じたとしても、それはすごくつまらないことで、僕は役者を信じます。だから、キャスティングが決まれば、代用も利かないのです」

 初回のタイトルバックが流れるまで4分ちょっと。その間、セリフはたったひと言だけ。のっけからテレビドラマのイメージを覆す演出である。マジだ、大森監督。

※放送は12月1日22時~(初回は視聴無料)

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