歴史作家と歴ドルが激論! 黒田官兵衛の謎、知力、魅力
小日向「クセ者じゃなかったんだ! 意外です」
加来「ただ、若い頃はアクの強いところもあったみたいですね。父親が若く引退して、22歳で小寺家という大名家の家老職を継いで、信長支持を説き回ったわけです。鼻持ちならぬヤツというか、エラソーな若造と見られていたみたいだね」
小日向「ところが、ある日を境に変わった?」
加来「有岡(ありおか)城に閉じ込められた経験が、彼の人格を変えたのでしょう」
■鼻持ちならぬ性格を変えた幽閉事件
官兵衛が33歳の時、摂津(現・大阪府北西部と兵庫県南東部)有岡城主の荒木村重が信長に謀反を起こす。村重と旧知だった官兵衛は謀反を思いとどまるよう有岡城に説得に向かうが、そのまま幽閉されてしまう。
加来「監禁は1年間にも及ぶわけですが、牢獄は立ち上がることができないほど狭く、便器から糞尿(ふんによう)があふれるような、不潔な環境だったといいます」
小日向「よく生き延びられましたね」