歴史作家と歴ドルが激論! 黒田官兵衛の謎、知力、魅力
小日向「どうやって、そんなすごいことができたんですか?」
加来「うーん。それが最大の謎なんだ。諸説あるんだけど、とにかく騎馬武者を早く戻し、足軽もそれに後れを取らせないように走らせる工夫をしたようだね。しかも前門を明智という狼に、後門を毛利という恐ろしい虎に挟まれ、それを見事かいくぐってみせたわけです。今なら最高の経営コンサルタントといえるでしょう」
小日向「大河ドラマで、どうやって描かれるか楽しみです」
加来「ただ、この緊張の中で、官兵衛はひとつだけミスを犯しました。信長の死に涙をこぼす秀吉に向かって、『これであなたの天下になる』と囁いたんです。この一言が原因で後々、秀吉に警戒され続けることになります」
小日向「後の小田原攻めなどでも大活躍をしたのに、もらったのが九州に12万石と、働きの割に大きな領地をもらえなかったのは、秀吉の不信感が原因だったんですね」
関ケ原の合戦では、官兵衛は息子・長政とともに徳川方に立ち、九州で石田方の勢力を次々と攻め落とした。