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野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第23回>戦後初の韓国ロケ作品

公開日: 更新日:

【ホタル(2001年・東映)】

 高倉健の役は特攻隊の生き残り。不治の病に侵された妻(田中裕子)と韓国へ旅に出る。

 戦時中、主人公の上官は朝鮮の生まれだった。主人公は形見を持って韓国を訪ね、遺族に会う。いわゆる特攻隊を賛美する映画ではない。特攻隊の中に当時、日本領だった朝鮮出身者がいた事実を伝える映画だ。

 撮影中、高倉健は「意義のある映画なんだ」と語っていた。

「今度の役柄は生き残りの特攻兵で、行こうとしたけれど、失敗して死ねなかった男。漁師をしながら昔のことを恥じているという……。
 重い役です。ラストシーンで、主人公は朝鮮生まれの上官が残した形見を韓国の遺族に届けるのですが、今回はそのシーンのことがずっと頭にありました。
 日本映画としては戦後初めての韓国ロケになるわけですから、現地の事情もよくわかっていませんし、それは気になっていました」

 彼が言うように、「ホタル」は戦後初めての韓国ロケだった。

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