著者のコラム一覧
野地秩嘉ノンフィクション作家

1957年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒。出版社勤務などを経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュや食、芸術、文化など幅広い分野で執筆。著書に「サービスの達人たち」「サービスの天才たち」『キャンティ物語』「ビートルズを呼んだ男」などがある。「TOKYOオリンピック物語」でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

<第21回>高倉健に少しも臆していない菅原文太の芝居

公開日: 更新日:

【大脱獄(1975年・東映)】

 高倉健、菅原文太が共演したアクション映画である。両者が共演した映画は11本とされている。ただし、東映に移籍してきたばかりの菅原文太がほんのちょっとしか出ていない映画もあり、それを共演と呼べるかどうか。単に「ふたりが出ている」映画と共演は違う。

「大脱獄」は「仁義なき戦い」でスターになった菅原文太が高倉健と対等な立場で共演している映画である。ただし、出番は高倉健の方が多い。

 この年、高倉健は「新幹線大爆破」「神戸国際ギャング」に出て、翌年、東映を退社してフリーになる。「大脱獄」を見ていると、それは正しい選択ではなかったかと思われる。

 本作は娯楽アクション映画だ。網走刑務所から脱獄した7人のうち、生き残った高倉健が菅原文太の力を借りて復讐を果たすというストーリー。話の展開はスピーディーだし、出てくる俳優陣は加藤嘉、室田日出男、郷鍈治、三井弘次、山本麟一、小池朝雄など芸達者がそろっている。それなりに楽しめる映画ではあるが、いま見ると、どうしても「昔の映画だなあ」と感じてしまうのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃