映画「さよなら歌舞伎町」「深夜食堂」なぜ大ヒットしている?

公開日: 更新日:

 小規模公開の邦画が底力を見せている。「さよなら歌舞伎町」と「深夜食堂」だ。前者が18スクリーン、後者が80スクリーンながら、どちらの上映館も賑わっている。テレビで大々的に宣伝したわけではない。中身の面白さが、しっかり伝わっているらしい。

 2作品の共通点は新宿を舞台にした群像劇であること。「さよなら歌舞伎町」は歌舞伎町のラブホテル。「深夜食堂」は新宿ゴールデン街を思わせる飲食店が軒を連ねる一角。そこで繰り広げられるそれぞれの人間模様が面白い。

「さよなら歌舞伎町」では、とくにラブホ店長役の染谷将太。仕事も不満、恋人の前田敦子ともうまくいかない。結局、故郷の東北へ静かに帰っていくのだが、そこに負け犬的な感じがないのが新鮮である。被災地の故郷で心機一転、彼は巻き返しを図るのだろう。

 仕事のためには男と寝ることもいとわない前田敦子も染谷が去ったあとのマンションでひとり、下田逸郎の歌をギターを弾きながら歌う。このシーンは胸を締め付けられ、ジーンとくる。彼女もまた恋人を失った人生を生き直すのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  4. 4

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  5. 5

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  1. 6

    巨人阿部監督 グチるくらいならいっそ「4番・坂本勇人」はどうだろう…“進退の決断”含めた4つの理由

  2. 7

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も

  3. 8

    田原俊彦「真ん中の足」「カッチカチ」下ネタ連発で退場危機…フジ問題でも“おまいう発言”で大ヒンシュク

  4. 9

    フジ再激震! オンカジ逮捕「ぽかぽか」演出担当社員が豪語していた夢との落差にア然

  5. 10

    長嶋茂雄さんは松井秀喜の背もたれをガーンと蹴っ飛ばし、「巨人の4番道」を説いていた